ジョン(JOHN)
トランプボードゲーム
「ジョン」は、日本の将棋や、ファミコンのシミュレーションRPGに似た、駆け引きを楽しむ戦略トランプゲームです。
4×4マスの小さなマスで、自分の「カード」を動かして、相手のカードと戦います。
勝ち負けを決めるのはカードの強さだけではなく、作戦を考えて、ふせたカードの中身を読み、相手の裏をかく心理戦が重要です。
さらに、トランプ特有の運の要素が絡むことで、毎回異なる展開になります。
1枚のカード、1つのマスが勝負を大きく変える、手に汗にぎる頭脳バトルをぜひ体験してみてください。
さあ、ジョンを始める準備をしましょう!
ジョンボード(おすすめ):4×4マスが分かるボードがあると遊びやすいですが、なくても大丈夫です。マス目がだいたい分かればOKです。マス外に補充カード・変えカード置き場があれば、もっと遊びやすいです。(図1)
図1
この3枚を、自分の陣地(マスの横半分より手前)の決まった場所に、たて向きに置きます。(図2)
図2
このとき、Kだけは横向きに置きます。この横向きのKが、このゲームの王様です。このカードを「横カード」と呼びます。(図3)
図3
残った1枚のカードは、横向きに置いたKの前のマスに置きます。(図4)
図4
もう1つの束を、「補充カードの奥に、おもて向き」に置きます。
これが「変えカード」の山になります。ゲームが始まったら、自分の変えカードの中身はいつ見てもOKです。また、ずっと手に持ってプレイしても構いません。
これで準備は完了です。
ジャンケンなどで先攻・後攻を決めて、ゲームを始めましょう!(図5)
図5
このゲームの目的は、相手の横カード(最初に横向きに置いたKカード)を倒すことです。
ジョンは、将棋のように1手ずつ交代で手番をします。
手番では、4つのアクションのうち、どれか1つを選んで行います。
ルールにそって、マス上の自分のカードを動かせます。
数字札(A~10):上下左右に1マス動くことができます。(図6)
図6
絵札(J、Q、K):上下左右とななめ方向に1マス動くことができます(将棋の王様と同じ動きです)。(図7)
図7
カードの「入れかえ」:自分のカードが動ける場所に、ほかの自分のカードがあるとき、その2枚の場所を入れかえられます。(図8-1~2)
図8-1
図8-2
入れかえる2枚のうち、どちらか1枚でも絵札なら、ななめにも入れかえられます。(図9-1~2)
図9-1
図9-2
自分のカードの動ける場所に相手のカードがいるとき、その相手のカードに攻撃できます。
カードの「パワー(強さ)」と「HP(体力)」:
ジョンでは、カードの数字がそのまま「パワー」と「HP」になります。
Aは1、Jは11、Qは12、Kは13です。
この数字を「ランク」と呼び、Aが一番弱く、Kが一番強いランクのカードです。
攻撃のやり方:
次に、相手のカードにダメージを与えます。
ダメージは、「相手のカードのHP - 自分のカードのパワー」で計算します。
例:相手の♥5(HP5)に、あなたの♠6(パワー6)が攻撃した場合(図10-1~2)、「5-6」となり、相手の♥5のHPは0以下になるので倒されます。(図10-3)
図10-1
図10-2
図10-3
このダメージ計算で、相手のカードのHPが0以下になった場合、そのカードは「倒された」ことになり、相手の変えカードの山に加えます。手番は相手にうつります。
ダメージ計算の結果、相手のカードのHPが残った場合は、次の処理を行います。
このとき、相手のカードは「ダメージを受けた」ことになり、相手の変えカードの山に加えます。そして相手は、その山からダメージ計算後のランクのカードを引き出して、同じマスに置きます。カードのマークは何でもOKです。
例:相手の♥6(HP6)のカードに、自分の♠5(パワー5)のカードが攻撃した場合(図11-1~2)、「6-5=1」となり、♥6のカードを相手の変えカードの山に加え(図11-3)、相手はその山からA(HP1)のカードを引き出して同じマスに置きます。(図11-4)
図11-1
図11-2
図11-3
図11-4
もし、変えカードの山にダメージ計算後のランクのカードがない場合は、そのカードが見つかるまで1つずつランクを下げて探し、引き出してください。この時、Aのランクのカードを出したいのに変えカードの山にAがない場合は、そのカードは「倒された」ことになり(図12)、手番は相手にうつります。
図12
攻撃を受けても倒されなかった相手カードは反撃します。
攻撃を受けた相手のカードが倒されなかった場合は、相手は必ず「反撃」をしてきます。
反撃のダメージは、「反撃を受けるカードのHP - 反撃するカードがダメージを受ける『前』のパワー」で計算します。
反撃ダメージを受けた自分のカードは自分の変えカードの山に加え(図13)、手番は相手にうつります。「反撃」は手番として数えません。
図13
自分の補充カードの山の上から1枚カードをとり、自分の陣地(マスの横半分より手前)にある空いているマスに、おもて向きにして置くことができます。
ジョンには、RPGの魔法使いや僧侶のように、特別な力を持つカードが2種類あります。
魔法能力:
4のカードは、そのマスから2マス以内の相手のカード1枚に魔法による効果を与えることができます。(図14)
図14
相手カードのランクを半分に!:
この能力を使うと、相手のカードのランクを半分にします。(図15-1~2)
図15-1
図15-2
半分にして小数点が出たら切り捨て:
相手のカードのランクを半分にすることで小数点が出たら、下の数に切り捨てます(例:Kは6に、9は4に、5は2になります)。
魔法能力の使い方:
まず、4の魔法効果を相手のどのカードに与えるかを言ってください。
相手のカードは「魔法効果を受けた」ことになり、相手の変えカードの山に加えます。かわりに半分になったランクのカードを引き出して、同じマスに置きます。
相手の変えカードの山に半分になったランクのカードがない場合は、相手はそのカードが見つかるまで1つずつランクを下げて探して、引き出してください。Aのランクのカードを出したいのに変えカードにAがない場合は、そのカードは「倒された」ことになります。カードのマークは何でもOKです。
大事なルール:
この能力はその場から使えます。攻撃と違い、相手からの反撃はありません。
味方のカードランクを2倍に!:
自分のAのカードとほかの自分のカードを「入れかえ」するとき、Aのカードは入れかえたカードのランクを2倍に回復することができます。(図16-1~2)
図16-1
図16-2
回復の上限は「10」まで:
どんなランクでも、回復した後のランクは10が上限です(例:Aは2に、3は6に、7は10になります)。
回復のやり方:
ふつうの「入れかえ」移動の後、Aのカードで回復するカードを自分の変えカードの山に加えて、かわりに回復後のランクのカードを引き出して、同じマスに置きます。
自分の変えカードの山に回復後のランクのカードがない場合は、そのカードが見つかるまで1つずつランクを下げて探して、引き出してください。カードのマークは何でもOKです。
大事なルール:
自分のAカード自体、相手のカード、そして絵札(J、Q、K)のランクは回復できません。
相手の「横カード」(最初に横向きに置いたKカード)を倒した人の勝ちです!
実は、ジョンにはこのような“ズル”ができてしまう弱点があります。
変えカードからカードを出すとき、本当はあるカードを「ない」と言って、ランクを下げて出すこともできてしまいます。でも、ジョンはお互いの信用(しんよう)で成り立つゲームです。ズルをしないで正しく遊びましょう。
この弱点をなくすための「アルティメットルール」というルールもあります!
もし「本当はそのカードがあるのに、ないと言ってランクを下げて出したかも?」と思ったら、「ダウト!」と言って相手の変えカードをすべて見せてもらいましょう。本当にそのカードがなかったらダウトと言われた人の負けで、そのカードがあったらダウトといった人の負けです。この「アルティメットルール」を使うことで、さらにスリリングで奥深いゲームになることでしょう。